- 介護職員初任者研修の取得方法がわからない
- できれば取得費用を抑えたいな
- 介護職員初任者研修が役に立つ仕事が知りたい
- 介護職以外でも役に立つのかな?
こんな疑問に答える記事になっています。
こんにちは、カピバラ小僧です。
元介護士で、有料老人ホームと一般病院で働いた経験があります。
介護職員初任者研修は、介護職なら取得したい資格の一つです。
でも自分で取得方法を調べてみると、いろいろ情報がありすぎてよくわからないものです。
でも安心してください。
この記事では、「介護職員初任者研修の概要や取得の方法」をわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、自分のライフスタイルに合わせながら、無理なく資格の取得が可能です。
さらに、この資格が活かせるさまざまな仕事についても解説していますので、介護職以外でも役に立つ資格であることがわかると思います。
ぜひ最後まで読んでいってください。
この記事でわかることは下記の通り。
それでは見ていきましょう。
介護職員初任者研修ってなに?【概要を解説】
介護の仕事に従事する職員にとって必要となる資格はいくつかあります。
そのなかで、
それが介護職員初任者研修です。(以前はホームヘルパー2級と呼ばれていました)
では詳しく解説します。
資格の概要
介護職員初任者研修とは、介護に関する基本的な知識や技術を習得するためのプログラムです。
介護職なら取得が推奨される「入門的資格」に位置づけられています。
受講制限はなく、誰でも受講できるのが特徴です。
- まったくの介護未経験者
- 家族介護を目的としている
このような方も受講も可能です。
でも、勉強とか試験とか苦手なんだよね・・・
そんな方でも問題ありません。
あくまで介護の基本的な内容を学習の目的としているため、
つまり、受講のハードルはかなり低めということ。
受講の方法
資格の取得には、対象の講座を開設しているスクールで学習する必要がありますが、
スクールのでの受講方法には、
- 通学
- 通信 (※通信のみでの修了は不可)
- 通学+通信
上記3つのタイプがあります。通信のみでは修了できないので実質は2タイプ。
介護職員初任者研修は、講義と実技演習合わせて130時間のカリキュラムとなっています。
すべてのカリキュラムを修了した後に、筆記試験に合格することで取得となります。
通学タイプにも、
- 平日コース ⇒ 短期集中で学習したい人(1ヶ月程度で取得可能)
- 土日コース ⇒ 休みを活用して学習したい(約2、3ヶ月で取得可能)
- 夜間コース ⇒ 働きながら空き時間を使って学習したい
と、自分のライフスタイルに合わせて選択が可能。
働きながら取得をめざす方は、通学と通信の組み合わせがおすすめです。
130時間のカリキュラムのうち40.5時間は通信での受講が可能なため、自宅での空き時間を利用して効率的に学習を進めることができます。
学習カリキュラムはご覧の通り。
研修科目 | 研修時間 |
1.職務の理解 | 6時間 |
2.介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3.介護の基本 | 6時間 |
4.介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9時間 |
5.介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6.老化の理解 | 6時間 |
7.認知症の理解 | 6時間 |
8.障害の理解 | 3時間 |
9.こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10.振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
以上、参考にしてください。
取得の費用はスクールによってさまざまです。
次の章では取得費用を安く抑える方法をご紹介します。
介護職員初任者研修を安く取得する方法
初任者研修は自費で取得すと4~10万円程度かかります。
でもだいしょうぶです。費用を安く抑えることはできます。
結論は以下の通り。
- 公的職業訓練(ハロートレーニング)
- 教育訓練給付金制度
- 自立支援教育訓練給付金事業
- 職場の資格取得支援制度を活用
- 無料の資格スクールを利用する
ひとつずつ見ていきましょう。
公的職業訓練(ハロートレーニング)
公的職業訓練がおすすめな理由は2つあります。
- 訓練期間は基本手当(失業給付)がもらえる
- 受講が無料(テキスト代等は除く)
無料で資格が取得できて、さらに訓練中の生活費の心配がありません。
注意点としては、
上記3つです。働いておらず時間的余裕がある方におすすめの取得方法です。
ちなみに、公的職業訓練には2種類あります。
- 公共職業訓練 ⇒ 雇用保険を受給している求職者
- 求職者支援訓練 ⇒ 雇用保険を受給できない求職者
なので、あなたが該当するほうの訓練を受講することになります。
受講には、ハローワークでの手続きが必要なので気になる方はぜひ。
教育訓練給付金制度
教育訓練給付金制度には3つありますが、介護職員初任者研修が対象講座に含まれているのは以下の2つです。
- 特定一般教育訓練 ⇒ 受講費用の40%を支給
- 一般教育訓練 ⇒ 受講費用の20%を支給
この制度の対象者は、
- 受講開始時点で在職中で雇用保険に加入している
- 雇用保険の加入期間が1年以上ある
- 離職して1年以内
- 前回のこの制度を利用して以降に雇用保険の加入期間が3年以上ある
ちょっとややこしいですね。
この制度のポイントは、在職中でも雇用保険期間が1年以上あれば対象になることです。
つまり、働きながらでもお得に受講できるということ。
教育訓練給付金制度を利用する際の注意点は2つ。
なので、利用時には受講費用全額の用意が必要になります。
申請窓口は、お住まいを管轄するハローワークですので、気になる方は問い合わせしてみてください。
自立支援教育訓練給付金事業
自立支援教育訓練給付金事業とは下記のような制度。
- 母子・父子家庭といったひとり親家庭の親が対象
- 教育訓練講座の受講費用の一部を支援
- 都道府県や自治体が実施
受講費用の約60%が支給される、自治体の独自制度です。
ただし、以下の点に注意。
上記の点は、お住まいの自治体の窓口で詳細の確認をお願いします。
少子化対策やひとり親家庭への支援に力を入れている自治体では、受講費用が無料のところもあるので要チェックです。
職場の資格取得支援制度を活用
事業所によっては、介護資格の取得を推奨し、費用を支援している職場もあります。
その場合は職場の支援制度を活用するのが最も効率的です。
理由は3つ。
また、介護事業を運営する法人では、介護職員初任者研修や実務者研修等の資格講座を開設運営しているケースもあります。
勤め先が講座を開設しているようであれば、さらに融通が利くのでおすすめです。
ただし、職場の資格取得支援制度を利用することで、
上記のような悩みを生じてしまう可能性もあるので、利用の際は慎重にご検討を。
人間関係のトラブルや体力的な課題で退職の意志があるときにも弊害になります。
資格スクールの無料や割引きなどのキャンペーンを利用する
各資格スクールによって、
上記のような、サービスを用意していることがあるので、それを上手く利用すれば費用をグンと抑えることができます。
いろんなスクールがあるので自分の条件に合わせて比較するのもおすすめです。
ただし、無料や割引サービスには、各スクールの条件がある場合がほとんど。
自分の居住地や就業状況などで、該当するサービスやキャンペーンがあれば利用する価値は高いです。
もう一度、介護職員初任者研修の費用を安く抑える方法をおさらい
- 公的職業訓練(ハロートレーニング)
- 教育訓練給付金制度
- 自立支援教育訓練給付金事業
- 職場の資格取得支援制度を活用
- 無料の資格スクールを利用する
上記のどの方法で取得するかは、
- 在職中に取得するか
- 失業中に取得するか
あなたにとって最適なタイミングが選ぶ目安になりますので参考にしてみてください。
介護職員初任者研修を取得するメリットとデメリット
この章では、介護職員初任者研修の資格を取得するメリットとデメリットについて解説します。
取得には魅力的なメリットがたくさんある
この資格を取得するメリットは下記の通り。
- 従事可能な介護業務の幅が広がる
- 就職・転職に有利
- 給料や待遇がアップする
- 家族の介護にも応用できる
- 自分の仕事に自信が持てる
従事可能な介護業務の幅が広がる
初任者研修を取得した人は、訪問介護事業に従事することができます。
つまり、就職先の選択肢が増えます。
就職・転職に有利
介護系の求人には、無資格でも応募可能なものが多いのは事実です。しかし、応募先の採用担当者を安心させるという意味では、取得してからの応募がベストです。
給料や待遇がアップする
初任者研修を持っているだけで資格手当がもらえる可能性があります。
さらに、介護事業所でのキャリアアップを考えると、まずはじめに取得しておきたい資格です。
上位資格である「実務者研修」「介護福祉士」の取得を円滑にし、スムーズなキャリア形成ができます。
家族の介護にも応用できる
初任者研修で身につける知識と技術は、家族に介護問題が生じた際にも利点があります。とくに、人の体に直接触れておこなう「身体介護」は、知識や技術がなければ事故につながるリスクもあります。研修でしっかり学習しておくことで、臆することなく実践することができます。
自分の仕事に自信が持てる
どんな資格でも言えることですが、努力して取得したものは自信になります。介護は人の命にかかわる重要な仕事です。初任者研修を取得することで、自分の仕事にしっかりとした根拠を持って臨むことができるようになります。
取得しないことによるデメリットがあることに注意
介護職員初任者研修を取得するデメリットは一定の費用負担があるくらいです。
ここで、取り上げるデメリットとは、取得しないことによるデメリットになります。
そのデメリットは、可能な介護業務の範囲が限られてしまうこと。
具体的には下記のような業務しかできません。
- 生活援助のみ
- レクリエーション担当
- 事務作業
- 送迎業務
どれも、介護事業所には不可欠な業務ではあります。
常勤の正職員を希望するのであれば、上記の業務の範囲内では採用は難しいでしょう。
介護職として働くなら、介護士としてバリバリ介助業務で活躍したいですよね。
以上、この章で取り上げたように、介護職員初任者研修は取得によるメリットがたくさんあります。
取得ためらう理由はありません。
取得するのに要した努力が、確実に結果として帰ってくるのでおすすめですよ。
介護職員初任者研修が武器になる仕事5選
介護職員初任者研修の強みは、介護士だけに限ったものではありません。
この章では、介護職員初任者研修が武器になる仕事をご紹介します。
結論は下記の5つ。
- 看護助手
- 生活支援員
- 福祉用具専門相談員
- 介護タクシー
- 介護事務
個別に解説していきます。
看護助手
看護助手は、医療機関において医師や看護師のサポートをおこなう仕事です。看護補助者やナースエイドとも呼ばれますが、職種に違いはなく名称の違いになります。
病院やクリニックによって多少の違いはありますが、
- 生活環境に関わる業務 (環境整備・シーツ交換など)
- 診療の補助に関わる周辺業務 (医療材料の補充・検体の運搬など)
- 日常生活に関わる業務 (患者の身体介護にかかわるもの)
上記が基本的な業務になります。
介護士と共通した業務が多いことから、介護系資格の初任者研修の有資格者は重宝されます。
医療の知識も獲得でき、介護施設とはまた違ったやりがいを持てる仕事です。
生活支援員
生活支援員とは、障がいのある方の生活をサポートする仕事です。
生活支援員が働くのは、
- 生活介護事業所(高齢者でいうデイサービス)
- 障害者グループホーム(入所系)
- 障害者支援施設(入所系)
- 就労継続支援事業所(通所系)
主に上記の事業所になります。
障がい者の生活支援には、食事や排泄、入浴などのように、高齢者介護と共通する部分を多く含んでいるのがポイント。
つまり、介護職員初任者研修を取得していれば、障がい者の支援にも応用が可能と判断されます。
生活支援員としての、就職やキャリアアップにもプラスに作用するということです。
私は生活支援員として働いていました。
障がい者の通所事業所とグループホームの職員を兼務していましたので
初任者研修が障害分野でも通用することを知っています。
実際に生活支援員の求人情報を見ると、推奨資格として初任者研修が含まれていることは珍しくありません。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員とは、介護保険サービス事業の福祉用具貸与事業所に必須の専門職です。
主な仕事内容は次の通り。
- 利用者の身体状況に合った福祉用具の選定
- 福祉用具の利用計画の作成
- 定期的な利用状況の確認
特徴としては、営業職としての側面が強いことにあります。
私は通算で5年程度、福祉用具専門相談員としての経験があります。
上記の仕事以外にも
- ケアマネさんへの営業訪問
- レンタル中の福祉用具のメンテナンス
- 利用実績の集計業務
など、介護業界を影で支える重要な仕事です。
業務のなかには、利用者の体に合わせて車いすなどを調整するフィッティング作業もあります。
利用者さんに直接触れる場面になるため、初任者研修で身につけた知識や技術が応用できます。
さらに、名刺に保有資格として記載すれば、ケアマネージャーからの信用も得やすいのでおすすめですよ。
介護タクシーのドライバー
介護タクシーは、訪問介護において、利用者の通院や買い物などの乗車または降車の介助を提供します。
介護タクシーのドライバーの仕事内容は、
- 目的地へのタクシーでの移動
- タクシー乗降時の利用者の介助
- トイレを利用した際の介助
上記のようなもので、利用者を直接的に介助する業務が含まれるため、介護職員初任者研修の取得が義務づけられています。
需要はある仕事ですが、介護士に比べ事業所の数が極端に少なくなるので、選択肢としての優先度はそこまで高くはないでしょう。
ただ、初任者研修取得後の、仕事の幅が広がるという意味では好材料となります。
介護事務
介護事務の仕事は資格がなくても可能です。(※レセプト業務には専門知識が必要)
一般的な介護事業所では、管理者やサービス提供責任者などが介護事務を兼務しています。
対して、比較的事業規模が大きい事業所では、介護事務として職員を別途配置することもありますので、介護職員初任者研修の資格が採用時や待遇において優遇されます。
その理由は、事務作業だけではなく、利用者に対する介護補助をする場面があるためです。
上記のような介護補助の業務が想定されます。
初任者研修での知識や技術が必要になるので、有資格者は職場からも重宝されます。
- パソコン作業が好き
- 身体介助が苦手
- 体力的に不安がある
このような人には介護事務がおすすめです。
また、介護事務員としての能力やスキルを証明する資格も複数あります。
上記の資格を取得すれば、介護職員初任者研修とあわせて、転職する際に他の応募者と差をつけることができるでしょう。
まとめ【介護業界で働くなら取得して間違いなし】
最後に、この記事でわかったことをおさらいです。
- 介護職員初任者研修の概要がわかる
- 介護職員初任者研修を安く取得する方法がわかる
- 取得のメリットとデメリットがわかる
- 介護職員初任者研修が武器になる仕事がわかる
介護業界は、今後も大きな需要が見込める成長産業です。
これから介護業界に身を置いて働くのであれば、介護職員初任者研修の取得は必須と言っても過言ではありません。
あなたが自信とやりがいを持って、介護業界で活躍されること期待しています。
そしてこの記事がそんなあなたのお役に立てれば嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
今日はここまで。
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